2024/12/31

2024 今年の総括

 さて大晦日である。今年を振り返る。

写真展では、中平卓馬から始まり、アイルトンセナ(熱田護)で終わった。めちゃめちゃ幅広い。物理量的に圧倒的だったのは、東京都近代美術館で開催された「中平卓馬 火―氾濫」展だったけれど、展示されていた雑誌をもっとじっくり見るために、2回目も行こうと思っていて結局行くことができなかった。東京ステーションギャラリーで開催された安井仲治展は、一部の写真しか知らなかったが今回初めて彼の色々な写真を見ることができて良かった。最近お気に入りのAlec Sothの「A Room of Rooms」ももちろん良かったが、今年一番記憶に残る写真は何か?と考えると、東京都写真美術館のコレクション展で展示されていたチェン・ウェイ。プリントサイズは極めて大きく、バロックのような光線・陰影のある作品で、現代美術的な写真ではあるが一番イメージが焼き付いている。

美術展では、もちろんモネ展も良かったけれど、何気に勉強にもなった板橋区立美術館の「洋風画という風」展が良かった。今まで知らなかった江戸期の西洋絵画に影響を受けた日本の絵画を初めてまとまった数を見ることができた。それから、西洋美術館でやっていた内藤コレクション展の写本群も素晴らしかった。

書籍は、、、あまり読んでいなかったが、柳本尚規「プロヴォーク: 中平卓馬をめぐる50年目の日記」が、公に語られるプロヴォークの物語と違う一面を知ることができて面白かった。

2024/12/30

映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

 


映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の評判が良いことは知っていたが映画館には行けず、Amazon Prime Videoにて見放題独占配信を行なっていたので鑑賞。

米国での架空の内戦が物語の舞台。FBIを廃止したり、従来の合衆国憲法では禁じられている3期目に突入している大統領に対し、カリフォルニア・テキサス連合軍(あまり現実感の無いすごい組み合わせだ)である西部勢力とフロリダ同盟が内戦を起こし、政府軍は敗色濃厚、勢力はワシントンD.C.へ突入・・・という背景ストーリーの中で、記者のジョエル、戦場カメラマンのリー、リーに憧れ戦場カメラマンの道へと踏み入れた新人カメラマンのジェシー、そしてベテラン記者のサミーが中心となって物語が進む。

内戦そのものを政治的な側面や戦闘の側面を中心に扱った話ではなく、あくまでも、リーやジェシー、ジョエルやサミーといった戦場を取材する記者・カメラマンたちの物語で、とくにジェシーの戦場カメラマンとしての成長の話に(少なくとも最後近くまでは)思えた。

映像自体は、あまり「映画」っぽくなくツルツルした感じの映像で、ビデオカメラでそのまま撮ったかのよう(もしくは意図的にそのような映像にしている)。

疑問(ネタバレ):
最後のホワイトハウス突入後のシーンで、ジェシーを庇いリーが倒れた後、ジョエルはリーにはほとんど目もくれず、ジェシーを連れてすぐさま大統領のいる部屋に向かったのはなぜだろうか、という疑問が見ている時に浮かんできた。あれだけ親しかったリーが倒れたのにも関わらず、彼女の様子(生きているか・死んでいるか)も確認していなかったように思える。そこは、やはり記者の性として大統領にインタビューするという目的を優先して、兵士に大統領が射殺される前に、なんとしても大統領のところに行き、彼の(最後の)言葉を聞くためにインタビューしたかったのだろうか。その際に必要なカメラマンはジェシー一人で十分と判断して。

追記:
映画の中でジェシーがニコンFE2で撮影したモノクロフィルムを屋外で現像して、スマホを使ってスキャンするシーンがあり、このスキャナーはたぶんlomographyのこれ(現在、在庫切れみたい)。

スマートフォンスキャナー
インプレスの記事でも紹介されていた。

でも、120のフィルムも大量に持っている私的にはこちらが気になる(こちらも在庫切れ)。

DigitaLIZA Max
インプレスの記事

李良枝「由熙 ナビ・タリョン」

 


李良枝(イ ヤンジ)の芥川賞受賞作である「由熈」を収録。その他、「ナビ・タリョン」、「かずきめ」、「あにごぜ」なども収録している(収録順、「由煕」は最後)。きっかけは、リービ英雄の「バイリンガル・エキサイトメント」。

久しぶりに本格的な私小説を読んだ気がする。収録されているどの作品も繋がっている。父、母、兄妹、「母国」、「母国」語。

ウクライナなり、スロバキアなりから米国に移民した父母を持つが、米国で育ち、英語しか話すことができない米国人が、果たしてこの作品の中で表されるような、「母国」と米国の間でどうしようもなく揺れ動く(良い言葉が思い浮かばない)ことが果たしてあるのだろうか。そこが「在日」として生きる人々の苦悶なりのどうしようもない心の持ちようがあるようにも感じる。

自分自身が、少なくとも辿れる限りの江戸時代以前から東日本に代々住んでいる祖先を持つ日本語を話す人間であるので、2つの国の間の想いのような摩擦に苛まされることはなかったので、理解はできても共感はなかなか難しい(家族の話はともかく)。米国に留学していた時に時折感情や対人表現で(図らずとも)私自身の中に現れてきた、プチ・愛国心的表現でもないように思う。

New Mamiya 6

以前の公開していたwebサイトに掲載していたマミヤのNew Mamiya 6の記事をarchive.orgからサルベージしてきたので記録。

元の日付は以下。
 (Last modified: $Karaba: index.html,v 1.30 2007/02/07 16:01:14 mk Exp $)

New Mamiya 6 (ニューマミヤ6)

ニューマミヤ6絡みで各種検索エンジンから、 私の日記に飛んでくる方が多いようなので、 もう少しニューマミヤ6について詳しく書いてみました。

使用感など

そもそもなぜニューマミヤ6を購入したかというと、まず6x6のスクエアフォー マットを使いたいというのがありました。 しかし、6x6の現行品を探すとなるとハッセルなど高額な製品しか選択肢があ りません。 そこで、中古品に目がいくわけですが、その中でもニューマミヤ6は

  1. レンジファインダーカメラなので薄い
  2. レンズ鏡胴が沈胴式
  3. 一応露出計も内蔵
ということで、中判カメラのわりにはコンパクトな点などが気に入り、いろい ろ探しまわって購入しました。 もちろん、ハッセルの503あたりや二眼系のカメラも気にはなったのですが、 ハッセルは中古ボディの値段こそこなれてきていますが、レンズがちょっと予算 オーバーでした。
購入したのは、素のニューマミヤ6で後期のMFではありません。よって135フィ ルムは使えませんが、もともとこのカメラでそのような使用方法は考えていな かったので、私的には問題なしです。

レンズは、標準の75mm/F3.5(135換算41mmあたり)と広角の50mm/F4(135換算 28mmあたり)を購入しました。 このカメラは、どちらかというと50mm/F4レンズの方がレンジファインダーカ メラの特性上、広角レンズでも歪みも少ないということで評判が上のようです が、私は普段標準の75mm/F3.5を使用することが多いです。 理由は標準の方がポートレートなど撮るときに寄る必要がないですし、レンジ ファインダーカメラだと、カメラの性質上あまり寄れないので、私には標準レ ンズぐらいの画角が丁度使い易いです。 また、標準の75mm/F3.5レンズの方が、少しだけ全長が短かいのでコンパクト です。

この一年使ってみての感想は、はっきり言って露出計はそのままの値ではあま り役に立ちません。 光線がファインダーに入りこむような状態だったりするととても怪しくなるの で、レンジファインダー窓に手で庇を作って計測する必要があったりします。 そのため、AEはあまり信用おけないです。それに加えてAEで露出補正を行なう 場合、シャッタースピードダイアル付近の露出補正ロック解除ボタンを押して から補正を行なう必要があるので、これもまたあまり実用的ではありません。 というわけで、私のようなネガしか使わない人はともかく、ポジを使用する人 はこの辺りは結構やっかいかもしれません。 私は適当な位置(掌とか)に向けてAEロックするか、マニュアルで設定して使 用しています。 まとめると、露出計部分ぐらいしか不満はありません。

本当は、撮影したフィルムをスキャンして掲載したいのですがブローニー用の フィルムスキャナを所有していないので、いつか機会があったらということで。

写真

(注:写真ファイルは失われてしまったので復元できず。New Mamiya 6現物は手元にあるので時間のある時に撮り直そう。)

(前からの姿)
常用の標準レンズ(75mm)+レンズフードを装着した姿.

(後ろ姿)
背面.

(マウント部)
マウント部.マウント内右側にコロ、下に電気接点がある.マウント左下の銀色のボタンはレンズ取り外しボタン.右下にギリギリ見える黒いボタンが沈胴させるためのボタン.

(フィルム蓋)
フィルム蓋.圧板を回すことで120と220の切り替えができる.

(75mmレンズ目盛)
装着した75mm/F3.5レンズの目盛.使用しない時は、絞り目盛とボディの蛇腹部分が沈胴してコンパクトになる.

(遮光カーテン)
レンズ交換の際に感光しないためのカーテンが備わっている.(レンズ交換時には遮光されていないと交換できない.)

(ファインダー)
75mm/F3.5を装着した状態のファインダー.50mm/F4の場合ファインダー一杯に枠が拡がる.

(蛇腹)
遮光カーテンを開けると蛇腹が見える(写真は伸びた状態).

(75mmレンズを装着した状態(撮影状態))
75mm/F3.5レンズを装着した状態(撮影状態)

(75mmレンズを装着した状態(沈胴状態))
75mm/F3.5レンズを装着した状態(沈胴状態)

(50mmレンズを装着した状態(撮影状態))
50mm/F4レンズを装着した状態(撮影状態)

(50mmレンズを装着した状態(沈胴状態))
50mm/F4レンズを装着した状態(沈胴状態)

(ロゴ)
上部のロゴ.

(シャッターダイヤル)
シャッターダイヤル.○印がAE.□印がAEロック.ダイヤル右外の目盛が露出補正目盛でダイヤル左下のボタンが露出補正ボタン.

(レンズカバー前)
前部レンズカバー

(レンズカバー後)
後部レンズカバー

(マウントカバー前)
マウントカバー

(マウントカバー後)
マウントカバーの背面.電池を収納する穴がある.

(50mmレンズ)
50mm/F4レンズ.標準レンズ(75mm)の方を、私はよく使っている.

(50mmと75mmの比較)
75mm/F3.5(左)と50mm/F4レンズ(右)の比較.これだけ全長が違う.

2024/12/29

2024/12/28

荒木慎也「石膏デッサンの100年」

 


著者の博士論文をもとにした書籍のようであるが、美大生・美大受験生を悩ませて?きた石膏デッサンで使われていた石膏像の由来を探る話から始まり、日本における石膏デッサン教育の変遷と、石膏デッサン教育の推進派・アンチ推進派の言説などを探る話が続く。推進派は

石膏を単なる物ではなく、「心」を宿した感動の対象とみなすことの重要性を説いた。
らしいが、私のような素人には石膏像って、本物(オリジナル)をコピーしたものでそれを対象として感動の対象として見て良いの?と感想を抱いた。
しかし、すごくマニアックな内容であると共に、著者の本テーマにかける情熱についてはとても尊敬する。

フィットネスクラブ

 コロナ禍の頃から(それよりも前から?)、徐々に体重が増え、今ではすっかりメタボ状態。年齢のせいか、代謝も落ちていて全然体重も落ちない。体重計に乗るたびに大台が見えてきている状況に危機感を覚え、ついにフィットネスクラブに入会。。本日体験入会したが、すでに筋肉痛。ランニングマシーンのきついこと・・・。まあ1年は頑張ろう。それで結果が出なければ・・・ダメだと諦めるかな。

映画「ライオン・キング ムファサ」


 映画「ライオン・キング ムファサ」(吹替版)を見た。宣伝コピーでは超実写版という触れ込みで、本物と見間違うばかりの(たぶん)CGで作られた作品。ライオン・キング本編の話がどういうモノだったかすっかり忘れてしまっていたが、ウィキペディアによると本編の主人公のシンバの父がムファサで、シンバの叔父(ムファサの弟)のタカ(本編では悪役スカー)の生い立ちの話が今回の映画のストーリーのよう。

超実写版と謳うだけあって、本物の動物そっくりであるだけに、人間の言葉を話し、歌い、恋愛や嫉妬をするのが違和感バリバリだっった。目を瞑って音声だけを聞いていたら、どこかの国の王子様のお話に聞こえるだろうけれど、スクリーンに写っているのは本物そっくりの動物たち・・・。

2024/12/25

2024/12/22

日録

 

明大前駅近く

2024/12/18

リービ英雄「バイリンガル・エキサイトメント」

 

なんとなくリービ英雄の著作一覧をamazonでつらつらと眺めていたら、未読であったこの本「バイリンガル・エキサイトメント」を発見し購入。

エッセイや講演記録を集めたものなので、割とサクッと読めるし、彼の著作(小説)を読んでいる人ならば、どの小説の何について言及されているかも思い出しながら読むことができる。

タイトルのバイリンガル・エキサイトメントに関連して、何人かの小説家の名前が上がっている。以前から彼の著作を通じて名前だけは知っていた多和田葉子。安倍工房、中上健次。そしてはじめて知った閻連科、温又柔、李良枝、莫言(後ろの二人は名前だけは聞いたことがあるけど)。今度読んでみようと思う。

しかし、外国語で小説を書くというのは一体どれくらいの才能と努力と年月が必要になるのだろう。僕などでは想像ができない。私小説が割と好きな僕にとってはリービ英雄の小説は好物の一つである。なんせ「最期の国境への旅」を読んで青森へ一人旅に出てしまったくらい。彼の小説を読むと旅をしたくなる。

2024/12/15

日録

 



写真の理論

 

甲斐義明 編訳による「写真の理論」。写真に関する論文5編が訳され掲載されており、また後半にはそれぞれの論文に対する解説が掲載されている。論文の著者は、ジョン・シャーカフスキー (John Szarkowsiki)、アラン・セクーラ (Allan Sekula)、ロザリンド・クラウス (Rosalind E. Krauss)、ジェフ・ウォール (Jeff Wall)、ジェフリー・バッチェン (Geoffrey Batchen)の5名。

写真展の図録の序文として書かれた John Szarkowsikiの「写真家の眼」は比較的読みやすいが、他は私のようなアマチュアにはなかなか難しい。そのため後半の解説は理解の助けになった。Geoffrey Batchenの「スナップ写真 美術史と民族誌的展開」(Snapshots: Arts History and the Ethnographic Turn)はいわゆるアマチュアが撮った本来プライベートに取り置かれ公の場面に出てくることがなかった(想定されなかった)数多の家族写真などについて取り上げられている。2008年の論文であるが、近年のAlec SothのA Pound of Pictures や、原田裕規のOne Million Seeings に繋がっているのだろうか。

2024/12/14

日録

 


キヤノンギャラリー企画展 熱田 護 写真展「Ayrton」

 



銀座キヤノンギャラリーで開催されている熱田カメラマンの写真展「Ayrton」に行く。セナが死んでから30年も経ったのか、と時の流れの速さに驚くとともに、1994年のサンマリノグランプリ(イモラサーキット)当時のことを思い出す。

その日僕は、大学の友人のアパートの部屋で皆と麻雀をしていた。23時くらいだったかな、フジテレビのF1放送が始まる時刻になったのでTVをつけると、今宮さん、三宅アナウンサー、川井ちゃんが悲壮な顔をして並び、セナの事故を伝えていた。当然僕は麻雀どころではなく画面を食い入るように見つめ彼らの話に耳を傾ける。そして事故(クラッシュ)の映像が流れ、ヘリコプターからの上空映像では、コースアウトして壁に激突し跳ね返されてコース上に止まるセナが乗るFW16を映している。一瞬首が動いたように見えたがセナはコックピットから出て来ない。メディカルカーが現場に到着し、彼の体をコックピットから取り出しコース上に寝かせた後、何かの処置をしたのだろうか、真っ赤な鮮血がアスファルトにまるで絵の具をぶちまけたように拡がった。。

何せ30年前のことなので、上記の記憶がどこまで正しいかどうかは分からないけれど。

この年の鈴鹿の日本グランプリ(私にとって現地に行った最後の日本グランプリだと思う)では、大雨の中、ウィリアムズに乗るマンセルがすごい勢いでフェラーリのアレジを追いかけ回していたのを記憶している(でもたしか合計タイム?的にあまり意味がなかったような・・・)。

ギャラリーには熱田さんご本人も居られて、セナの写真集ではなく、PU時代のホンダの写真集「Champion」を購入し、サインと一緒に記念撮影していただいた(セナの写真集「Ayrton」は三万六千円と高価で断念)。

2024/12/12

2024/11/25

日録

浅野川

ひがし茶屋街

とどろき亭

近江市場手前

近江市場手前

11/24、ホテルをチェックアウトし、バスで金沢駅へ。荷物をロッカーに預け、バスに乗りひがし茶屋街へ。昼食は「とどろき亭」でハヤシライス。その後、徒歩で近江市場まで行き、金沢エムザの上林金沢茶舗で休憩。お茶ではなく、コーヒーと抹茶ガトーショコラを注文したのだけれどガトーショコラ美味しかった。そして、金沢駅まで歩き、お土産や夕食用のお弁当(私は能登牛のお弁当にした)を買って新幹線で帰京。

 

日録

金沢21世紀美術館
兼六園
香林坊

11/23、尾山神社、金沢21世紀美術館、兼六園、金沢城址などを訪問。昼食は美術館のFusion21、夕食はグリルオーツカでハントンライス。

日録

千里浜なぎさドライブウェイ

千里浜なぎさドライブウェイ

滝ロードパーク

巖門

巌門

巌門

11/22、結構な雨の中、能登へドライブ。千里浜なぎさドライブウェイの砂浜は残念ながら高波で車で走行禁止で入れなかった。昼食は「道の駅 のと千里浜」で牡蠣入りかき揚げ丼。夕食はレンタカー返却ついでに寄った金沢駅西口のクロスゲート金沢にある「北陸金沢回転寿司 のとめぐり」で、回るお寿司だけど単価は高め。のどぐろを初めて食べたけれど、美味しかった。
 

「コレクション展2 都市漂流」展 & コレクションカタログ「THE COLLECTION」

 




11/23に金沢21世紀美術館を訪問。コレクション展である「コレクション展2 都市漂流」を観た。あいにくの雨で、野外の展示を体験するのには難儀したけれど、金沢市初訪問の目的の半分以上はこの美術館に行くことだったので午前中いっぱい滞在。現代美術はコンテキストを理解していないとなかなか理解が難しい。事前にもっと勉強しておけばよかったと思いつつも、美術館のWebページを見ると作品リストが載っていないようだ。最近の展覧会にしては掲載がないのは珍しい。図録代わりに美術館が出版しているコレクションカタログ?「THE COLLECTION」を購入。作家ごとに収録されている作品が短いけれど紹介されていて便利(だが重い・・・)。

本美術館の展示で有名なレアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)のスイミング・プール(地下も整理券取得して見学)やヤン・ファーブル(Jan Fabre)の「雲を測る男」を堪能しつつ、リファレンスがわかったという意味では、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)「世界の起源」は面白かった。

コレクションカタログを眺めていると現代アートよりの写真家の作品も収蔵されているようだけれど、今回の展示ではあまり目につかなかった。
あと、コレクションカタログを見るとゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)のベティ(Betty)も収蔵されているようだ、見てみたいなあ。

昼食は、美術館内のFusion21にてランチ(パスタとビュッフェ)。

2024/11/16

2024/11/10

映画「ルックバック」(配信)


amazon prime videoで配信されている映画「ルックバック」を観た。チェンソーマンの作者が原作という知識しかなかったけれど(原作は読んでいない)、良い映画でした。もし違う世界線があれば、、、という話でもあるけど、人間誰しも持つ喪失感への癒しにはなるのではないでしょうか。60分満たない映画なのですが、絵も美しい。

2024/11/09

セザンヌの構図

 


先日読んだ原田裕規の「とるにたらない美術 ラッセン、心霊写真、レンダリング・ポルノ 」の中で取り上げられていて、興味を覚えたが絶版本で、北区の中央図書館にはなく、赤羽図書館に蔵書されていたので、取り寄せてもらって読んで(眺めて)みた。

セザンヌの絵画の構成について、作者の主観も多分に含みつつ、その構成要素や視線の動線などに分解して解説している。よく言われる多視点の話なども取り上げられている。また、遠近法を超えた遠方の構成要素の強調の仕方など ー その手法は何となく超望遠レンズで撮影され圧縮効果と似ている ー。

2024/11/04

現代写真論 新版 コンテンポラリーアートとしての写真のゆくえ

 



後藤繁雄「現代写真とは何だろう」を読んだ時に、この本が取り上げられていたので読む。前々から著者であるシャーロット・コットンの「現代写真論」の旧版か新版、「写真は魔術」のどれか忘れてしまったが、和訳が出た当時買って読もうかどうか悩んで結局購入をやめた記憶がある。
今になって読もうとすると、もう新品は売っていなく、中古も値が上がって倍近くする(それなりに評価されている本ということかな)。たまたま別の本を借りようと地元の図書館に行ったら偶然所蔵していることがわかり、借りてきて読んでみた。
一応、「現代」写真と定義された写真家たちをいくつかのカテゴリー(章)に分けて紹介しているが、写真は写真家あたり一枚程度で、200人程度の写真家が紹介されているためどうしても図鑑・事典的にならざる得ない。そのため、個々の写真家がどうのこうのというより、著者が現代写真(写真家)を分類・整理してみせたことに意義があるような気がする。
なので、読者はこの本を読んで、気になった写真家の作品を別の書籍(写真集など)で見てみるという使い方か、聞きかじった写真家の名前を元にこの本を事典的に使い、調べるきっかけにするという使い方が有効かな。

1

Sarah Jones

序章

2

Daniel Gordon


3

William Eggleston


4

Stephen Shore


5

Alec Soth


6

Bernd and Hilla Becher


7

Lewis Baltz


8

Lazlo Moholy-Nagy

1章 これがアートであるならば

9

Man Ray/Marcel Duchamp


10

Philip-Lorca diCorcia


11

Alfred Stieglitz


12

Sophie Calle


13

Zhang Huan


14

Rong Rong


15

Joseph Beuys


16

Oleg Kulik


17

Melanie Manchot


18

Jeanne Dunning


19

Tatsumi Orimoto


20

Erwin Wurm


21

Erwin Wurm


22

Gillian Wearing


23

Bettina von Zwehl


24

Shizuka Yokomizo


25

Hellen van Meene


26

Ni Haifeng


27

Kenneth Lum


28

Roy Villevoye


29

Nina Katchadourian


30

Wim Delvoye


31

David Shrigley


32

Sarah Lucas


33

Annika von Hausswolff


34

Mona Hatoum


35

Georges Rousse


36

David Spero


37

Tim Davis


38

Olga Chernysheva


39

Rachel Harrison


40

Philip-Lorca diCorcia


41

Roni Horn

2章 昔々

42

Jeff Wall


43

Jeff Wall


44

Philip-Lorca diCorcia


45

Teresa Hubbard and Alexander Birchler


46

Sam Taylor-Wood


47

Tom Hunter


48

Yinka Shonibare


49

Sarah Dobai


50

Liza May Post


51

Sharon Lockhart


52

Frances Kearney


53

Hannah Starkey


54

Justine Kurland


55

Sarah Jones


56

Sergey Bratkov


57

Wendy McMurdo


58

Deborah Mesa-Pelly


59

Anna Gaskell


60

Inez van Lamsweerde and Vinoodh Matadin


61

Mariko Mori


62

Gregory Crewdson


63

Charlie White


64

Izima Kaoru


65

Christopher Stewart


66

Katharina Bosse


67

Miriam Bäckström


68

Miles Coolidge


69

Thomas Demand


70

Anne Hardy


71

James Casebere


72

Rut Blees


73

Desiree Dolron


74

Hannah Collins

3章 デッドパン

75

Celine van Balen


76

Andreas Gursky


77

Andreas Gursky


78

Walter Niedermayr


79

Bridget Smith


80

Ed Burtynsky


81

Takashi Homma


82

Lewis Baltz


83

Matthias Hoch


84

Jacqueline Hassink


85

Candida Höfer


86

Naoya Hatakeyama


87

Axel Hütte


88

Dan Holdsworth


89

Richard Misrach


90

Thomas Struth


91

John Riddy


92

Gabriele Basilico


93

Simone Nieweg


94

Yoshiko Seino


95

Gerhard Stromberg


96

Jem Southam


97

Jem Southam


98

Boo Moon


99

Clare Richardson


100

Lukas Jassansky


101

Thomas Struth


102

Thomas Ruff


103

Hiroshi Sugimoto


104

Joel Sternfeld


105

Jitka Hanzlová


106

Mette Tranvoll


107

Albrecht Tübke


108

Rineke Dijkstra


109

Rineke Dijkstra


110

Rineke Dijkstra

4章 重要なものとつまらないもの

111

Peter Fischli and David Weiss


112

Gabriel Orozco


113

Felix Gonzalez-Torres


114

Richard Wentworth


115

Jason Evans


116

Nigel Shafran


117

Jennifer Bolande


118

Jean-Marc Bustamante


119

Wim Wenders


120

Anthony Hernandez


121

Tracey Baran


122

Peter Fraser


123

Manfred Willmann


124

Roe Ethridge


125

Wolfgang Tillmans


126

James Welling


127

Jeff Wall


128

Laura Letinsky


129

Uta Barth


130

Sabine Hornig

5章 ライフ

131

Nan Goldin


132

Nan Goldin


133

Nobuyoshi Araki


134

Larry Clark


135

Juergen Teller


136

Corinne Day


137

Wolfgang Tillmans


138

Wolfgang Tillmans


139

Jack Pierson


140

Richard Billingham


141

Nick Waplington


142

Anna Fox


143

Ryan McGinley


144

Hiromix


145

Yang Yong


146

Alessandra Sanguinetti


147

Annelies Strba


148

Ruth Erdt


149

Elinor Carucci


150

Tina Barney


151

Larry Sultan


152

Mitch Epstein


153

Colin Gray


154

Elina Brotherus


155

Breda Beban

6章 歴史の瞬間

156

Sophie Ristellhueber


157

Willie Doherty


158

Zarina Bhimji


159

Anthony Haughey


160

Ori Gersht


161

Paul Seawright


162

Simon Norfolk


163

Fazal Sheikh


164

Chan Chao


165

Zwelethu Mthethwa


166

Adam Broomberg and Oliver Chanarin


167

Deidre O’Callaghan


168

Trine Søndergaard


169

Dinu Li


170

Margareta Klingberg


171

Allan Sekula


172

Paul Graham


173

Paul Graham


174

Martin Parr


175

Martin Parr


176

Martin Parr


177

Martin Parr


178

Luc Delahaye


179

Ziyah Gafic


180

Andrea Robbins and Max Becher


181

Shirana Shahbazi


182

Esko Mannikko


183

Roger Ballen


184

Boris Mikhailov

7章 再生と再編

185

Vik Muniz


186

Cindy Sherman


187

Cindy Sherman


188

Yasumasa Morimura


189

Nikki S. Lee


190

Trish Morrissey


191

Gillian Wearing


192

Jemima Stehli


193

Jemima Stehli


194

Zoe Leonard and Cheryl Dunye


195

Zoe Leonard and Cheryl Dunye


196

Zoe Leonard and Cheryl Dunye


197

Collier Schorr


198

The Atlas Group/Walid Ra’ad


199

Joan Fontcuberta


200

Aleksandra Mir


201

Tracey Moffatt


202

Cornelia Parker


203

Vera Lutter


204

Susan Derges


205

Adam Fuss


206

John Divola


207

Richard Prince


208

Hans-Peter Feldmann


209

Nadir Nadirov


210

Tacita Dean


211

Joachim Schmid


212

Thomas Ruff


213

Susan Lipper


214

Markéta Othová


215

Torbjørn Rødland


216

Katy Grannan


217

Vibeke Tandberg


218

Florian Maier-Aichen


219

James Welling


220

Sherrie Levine


221

Christopher Williams


222

Sara VanDerBeek


223

Lyle Ashton Harris


224

Isa Genzken


225

Michael Queenland


226

Arthur Ou


227

Walead Beshty


228

Zoe Leonard


229

An-My Lê


230

Anne Collier


231

Liz Deschenes


232

Eileen Quinlan


233

Jessica Eaton


234

Carter Mull


235

Shannon Ebner


236

Sharon Ya’ari


237

Jason Evans


238

Tim Barber


239

Viviane Sassen


240

Rinko Kawauchi


241

Lucas Blalock


242

Kate Steciw


243

Artie Vierkant


244

Anne de Vries