甲斐義明 編訳による「写真の理論」。写真に関する論文5編が訳され掲載されており、また後半にはそれぞれの論文に対する解説が掲載されている。論文の著者は、ジョン・シャーカフスキー (John Szarkowsiki)、アラン・セクーラ (Allan Sekula)、ロザリンド・クラウス (Rosalind E. Krauss)、ジェフ・ウォール (Jeff Wall)、ジェフリー・バッチェン (Geoffrey Batchen)の5名。
写真展の図録の序文として書かれた John Szarkowsikiの「写真家の眼」は比較的読みやすいが、他は私のようなアマチュアにはなかなか難しい。そのため後半の解説は理解の助けになった。Geoffrey Batchenの「スナップ写真 美術史と民族誌的展開」(Snapshots: Arts History and the Ethnographic Turn)はいわゆるアマチュアが撮った本来プライベートに取り置かれ公の場面に出てくることがなかった(想定されなかった)数多の家族写真などについて取り上げられている。2008年の論文であるが、近年のAlec SothのA Pound of Pictures や、原田裕規のOne Million Seeings に繋がっているのだろうか。

0 件のコメント:
コメントを投稿