[MOVIE] 「Shine」
家庭の中で絶対的な権力を持つ父親1、そのもとで音楽(ピアノ)を教えられ才能を伸ばしていく主人公ディヴィッド。しかし父親から受けた重圧は彼の心にトラウマとして残っていく…。父親を振り切り、異国で才能を開花させつつあったが最終的には心を病み彼は崩壊してしまう。
人間の能力なんて一局面にのみ注力すると、どこかバランスが崩れてしまわざるえないものなのだろうか。そんな感想を抱いた。でもバランスが崩れてしまった原因、つまり彼の場合ピアノが最期には彼をまた病から解放していくきっかけにもなっていくのだから複雑だ。
何かをなすには、狂気にならざるえない。そんな凡庸だけれど凡人には真似のできない言葉がかけめぐった。
ところで主人公が病に倒れる直接のきっかけになったラフマニノフの曲には一体どのような狂気が潜んでいるのだろう。音楽無知の僕には見当もつかなかった。
[BOOK] ローマ人の物語 XIII 最期の努力
ディオクレティアヌス、コンスタンティヌスの時代を扱っている。もうここに至っては都市ローマに皇帝は居を構えることもなくなり、コンスタンティヌスの時代になるとビザンティンに新ローマとして新たに中心地が東方に移動してしまう。ローマの西方地域は相当程度地力が低下してしまったのだろう。そして勢い留まるところ知らずのキリスト教も公認され、コンスタンティヌスの支配の道具となっていく。
ローマが「ローマ」でなくなっていく—
本の帯に書かれた言葉がまさにぴったりとくる。
[BOOK] ローマ人の物語 XIV キリストの勝利
皇帝在位中にキリスト教徒になってしまえば、皇帝の権威は神により示される。その結果、神の言葉を伝える司教に逆らうことができない。しかし皇帝の権威そのものは神から与えられたものであるという解釈がなりたつため皇帝そのものの権威は約束されて安定していく。なるほどこうやって権威を作ることができるのか。
[BOOK] ローマ人の物語 XV ローマ世界の終焉
なんとあっけない最期だろう。とくに深い感想を抱くことのないくらいだ。壮絶な闘いの後に滅んだのでもなく、淡々と寿命が尽きるかのようにその最期は訪れた。でもこの後に来る世界が直接には現代のヨーロッパ、地中海世界に繋がっていくのだよな。
ホロコーストの影もちらつき、父親もその父親から抑圧された過去を持つ。↩︎
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