2007/07/04

2007/07/04

[BOOK] 夜露死苦現代詩

誰も読まないどんづまった現代詩を脇目に、(市井の)人達はいまだ”言葉”を必要としているはずだし、実際人びとは”言葉”と向きあっている。この本では痴呆老人の心の叫びや、死刑囚の俳句、暴走族の特攻服に刺繍されたフレーズ、ヒップポップの詩等々、さまざまな我々の身近にある言葉に注目して紹介されている。この本でとりあげられなかったら絶対にこれらが”詩”であることなど、我々一般人も、プロの批評家たちも、当の本人たちでさえ思わなかっただろう。それでもこの本の中にとりあげられた”詩”は僕の心に響いたし、涙を誘い、笑いも誘った。やはり都築響一の視点のユニークさに驚かされる。そういえば(わかり難さという意味で)同様にどんづまっているようにも見える現代写真において、彼の撮った写真は前提知識なしでもユニークで楽しめるものだったことを思いだした。

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