[BOOK] ローマ人の物語 XI 終わりの始まり
この巻からは文庫でなく単行本で読むことにした。理由はさっさと全巻読み終えたいと思ったから。そうなるとこの巻以降は今のところ文庫は出ていないため必然的に単行本となる。
この巻は五賢帝の最期を飾るマルクス・アウレリアスを中心として作者の史観が展開されている。つくづく思うのはいくら皇帝がきちんとした政治を行ったとしても、彼も人間である以上生命の尽きる時が来る。それは皇帝が寿命を全うした結果であろうが暗殺の結果であろうが無関係に。 そして次期権力掌握のために何度も血なまぐさい抗争が勃発することをローマにおいてさえも解決することができなかった1。このことを解決するためには、近代の議会制民主主義まで待たなくてはならなかったことを思うとつくづく権力交代の難しさを感じる。
語録:
職業に貴賤はないが、生き方には貴賤がある。(P.252)
「貴い生き方とはいったいどのようなものであるか?」と僕も普段考えることがある。しかし、そこで思い描いた貴い生き方を強固な意思で貫き通すというのが一番難しい。これは俗世間に溺れるくらいどっぷりつかってしまっている僕のひ弱さの証か。
[PHOTO] 日録
せっかくの三連休だが台風の影響で大雨だ。こういうときはひたすら読書して疲れたらおいしいコーヒーを飲んで一服し、そしてまた読書するのが吉だ。
[BOOK] うめ版
「新明解国語辞典×梅佳代」と銘打った写真集。一つの言葉について右ページに新明解国語辞典の解説を載せ、左ページに梅佳代の写真を掲載している。この本の発売はつい最近2のようだから、この間「新解さんの謎」が本屋で平積みにされていたのもこの本の発売を見越してのことだったのだろうか?
内容は梅佳代写真の圧倒的勝利である。はっきり言って新明解国語辞典の文章など不必要だと思えるくらいだ。掲載された新明解国語辞典の文章は第六版だということなので、“伝説”の第四版ではないことが敗因だろうか。しかし”言葉(文章)“と彼女の”写真”を並べられてみると、改めて彼女の写真の強さ、つまり言葉(タイトルでさえ)を必要とせずともぼくの中に訴えてくる強さ3がある。
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