[MOVIE] 「ローマの休日」(DVD)
「“ローマの休日”を見たことないやつは、本当の美しさを知らない不幸なやつだ。」とまで力説され、DVDを購入した。
オードリー・ヘップバーン演じる若い王女ががんじがらめの日常生活に嫌気がさし、ローマ訪問の折に宿舎を抜けだして街に出、グレゴリー・ペック演じる新聞記者のジョーと出会い、一日を過ごすうちにいつしか二人は…、と話の筋的にはよくある恋の夢物語である。しかし、それだけに観ているときも観終えたときもとても幸福感に満ちていて気分が良かった。単なる夢物語だと言ってしまえばそうであるけれど、一捻りも二捻りもある現代の映画からは得られない種類の気分だ。そして、確かにオードリーは息を飲むほどに美しい。そして、二人が結ばれハッピーエンドで終わるといったありがちな終わり方でないところがこの映画をさらに印象づけているのだろう。
王女はもちろん、相手(ジョー)に対して自分の身分を明かしていないし、ジョーも彼女が王女であることに気付いていることや自分が新聞記者であるということも明かしていない。そして心の内で相手の正体を知っているからこそ、二人は最期まで相手に対して「愛している」とは言わなかった(言えなかった)のだろう1。キッチンのないジョーのアパートで、王女がキッチンがないことに対して問いかけたとき、
"Well, life isn't always what one likes."
(ままならないのが人生だ。)
というジョーのセリフが印象的だった。 この映画は王女の夢物語として描かれているのかもしれない。しかし、それ以上にジョーにとってはどうにもままならない思い出となってしまった一日という意味で、ジョーの夢物語でもあるのだろう。このような思い出を背負ってしまったジョーはその後のどういう生き方を送れば良いのだろうか。
私の記憶が正しければ。↩︎
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