2007/01/24

2007/01/24

[MOVIE] 映画「カメラになった男 - 写真家 中平卓馬」

シネアートンの看板

人気があるためか、1/13〜1/26までの間、3度目の上映(レイトショー)がなされている。DVDが発売される見込みもなさそうなため、またまたシネアートンに行き観た。(1回目2回目)。今日は平日だというのに、通路にも椅子が用意されるくらいとても観客1が多かった。

何度観ても、新たな発見があって面白い。記憶喪失になったとはいえ、彼は徹底的に言葉の人だ。また、彼は赤色を非常に好むのが、なぜ赤なのか?ということを知りたくなった(色彩心理学の本でも読んでみれば良い?)。

あーもう沖縄に行くしかないような気になってきた。

備忘録

映画に出てきた言葉ではないが、彼の印象的な言葉を西井一夫が「暗闇のレッスン」にてまとめた文章を引用し、ここにメモする。

(P.211)~
「いかにも世界はぼくの外に客観的に存在するだろうけど、ぼくが死んだら世
界があろうとなかろうとぼくにとっては関係ない」という言い方をすると同時
に一方で「一枚の写真への撮影者の個人的思い入れなどはしょせん他者に伝え
ることはできないという映像がもつ逆のいさぎよさ」とも言っているように、
同時代に生きる写真家として、「たかだか一枚の写真」に何ほどのこともでき
ぬことを承知した上で、にもかかわらず何故写真を撮るのか、という問いその
ものを生きた写真家であった。その問いに、若き中平は「ぼく自身にこだわり
切ることから出発する」として、写真は自身の「一回限りの生の記録」だと宣
言している。

西井一夫がまとめたものではあるけれど、中平卓馬の写真への考え方がこのに全て表現されていると思う(まとめた西井一夫も凄い)。

[BOOK] タキトゥス ゲルマーニア

ゲルマン民族の大移動以前のゲルマニア諸族に関して述べられた、タキトゥスの有名な本。ゲルマニア諸族についての叙述もさることながら、それを通じて帝政移行への内乱後の平和により堕落していくローマへの批判が読みとれ、非常に面白かった。また、訳注や解説も充実していて理解に役立った。


  1. 全体的に若者が多い。カップルが半分。残りは一人で来たと思われる男女。結構、中平ファンって若者に多いということに驚かされるが、そう言えば監督自身も若い。↩︎

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