2007/01/16

2007/01/16

[BOOK] SATELLITES

サテライトといっても、宇宙空間に存在している月や人工衛星のことではない。「PHOTOGRAPHS FROM THE FRINGES OF THE FORMER SOVIET UNION」という副題が示すように、旧ソビエトの外縁に散らばる6つの地域 - トランスドニエストル(沿ドニエストル共和国)、アブハジア、ナゴルノ・カラバフ、フェルガナバレー、Spaceship Crash Zones(カザフスタン/シベリアの宇宙船廃棄物が散乱する地帯)、ビロビジャン(シベリアのユダヤ自治州都) -の写真集である。

分類的にはドキュメントなのだろうが、詩的で美しい写真で構成されている。特にSpaceship Crash Zonesの写真にそれを感じた。この表紙にもなっている写真は、確か以前、東京都写真美術館で開催されていた報道写真展で見た記憶がある。

一見美しくあるが、その実バイコヌール宇宙基地から発射されたロケットの発射軌道にあることから、疎とはいえ人の住む場所にロケット部品が落下する地帯であり、落下部品に含まれる貴金属を生活の糧とするジャンク屋が跋扈する地帯であり、落下し放置されたロケットブースター部品の中に残留しているロケット燃料で汚染された地帯でもある。

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