2007/01/31

2007/01/31

老人ダッシュ

会社から帰宅途中、地下街から地上に出るためのエスカレータでの出来事。

上りエスカレータに乗り、ぼーっと立っていると、がらすきの下りエスカレータから「ダッダッダッ」ともの凄い足音が聞こえる。

驚いて音のする方を見上げると、70歳はとうに越えていると思われる老人(男性)が下りエスカレータを逆行し、登っていく。しかも、「はぁーはぁー」と大きな声を出しながら…。

私は、なぜゆえ老人が上りエスカレータを使わずに、下りエスカレータを逆行しているのか意味不明ながら、心の中で「ガンバレ、じいさん」と叫んでいた。

しかし、上りエスカレータに乗る私との差はみるみる縮まり、ただ、機械によって重力に逆らい続ける私は、あっという間に老人を抜き去っていく。

エスカレータを乗り終え、下りエスカレータの終点(始点?)を見つめる私。

しばらくして、老人はやっと私の視界に見えはじめた。なんと老人は杖を片手に持ちながら懸命に下りエスカレータを登っていたのであった。

あともう少しでゴールという場所まで来たが、下へ下へと繰り出されるエスカレータのステップに邪魔され、老人はなかなか”動かない地上”へ到達することができない。

私は、誰も乗ろうとしない下りエスカレータの乗り口に立ち、老人へ心の中から応援を送る。

……そして遂に老人は成し遂げた。下りエスカレータの呪縛に打ち勝つことができたのだ。

私は心の中で、「やったな、じいさん」と呟きながら、立ち去ろうとする刹那、老人と目が合った。老人はちょっと目をそらしながら、「まだいける、若いな」とアルコール臭を漂わせながら、片手で杖をつきつつ去っていった。

2007/01/28

2007/01/28

[PHOTO] そこへゆけ

撮影の後、新宿ニコンサロン(juna21)で開催されている佐久間 元写真展「そこへゆけ」へ、小田急ハルクで差し入れを買ってから行く。

27点(たぶん)のモノクロ作品が展示されていて、そのうち大きく伸ばされたプリントが3点。撮影者固有の視点がとても楽しめた作品だった。

2007/01/24

2007/01/24

[MOVIE] 映画「カメラになった男 - 写真家 中平卓馬」

シネアートンの看板

人気があるためか、1/13〜1/26までの間、3度目の上映(レイトショー)がなされている。DVDが発売される見込みもなさそうなため、またまたシネアートンに行き観た。(1回目2回目)。今日は平日だというのに、通路にも椅子が用意されるくらいとても観客1が多かった。

何度観ても、新たな発見があって面白い。記憶喪失になったとはいえ、彼は徹底的に言葉の人だ。また、彼は赤色を非常に好むのが、なぜ赤なのか?ということを知りたくなった(色彩心理学の本でも読んでみれば良い?)。

あーもう沖縄に行くしかないような気になってきた。

備忘録

映画に出てきた言葉ではないが、彼の印象的な言葉を西井一夫が「暗闇のレッスン」にてまとめた文章を引用し、ここにメモする。

(P.211)~
「いかにも世界はぼくの外に客観的に存在するだろうけど、ぼくが死んだら世
界があろうとなかろうとぼくにとっては関係ない」という言い方をすると同時
に一方で「一枚の写真への撮影者の個人的思い入れなどはしょせん他者に伝え
ることはできないという映像がもつ逆のいさぎよさ」とも言っているように、
同時代に生きる写真家として、「たかだか一枚の写真」に何ほどのこともでき
ぬことを承知した上で、にもかかわらず何故写真を撮るのか、という問いその
ものを生きた写真家であった。その問いに、若き中平は「ぼく自身にこだわり
切ることから出発する」として、写真は自身の「一回限りの生の記録」だと宣
言している。

西井一夫がまとめたものではあるけれど、中平卓馬の写真への考え方がこのに全て表現されていると思う(まとめた西井一夫も凄い)。

[BOOK] タキトゥス ゲルマーニア

ゲルマン民族の大移動以前のゲルマニア諸族に関して述べられた、タキトゥスの有名な本。ゲルマニア諸族についての叙述もさることながら、それを通じて帝政移行への内乱後の平和により堕落していくローマへの批判が読みとれ、非常に面白かった。また、訳注や解説も充実していて理解に役立った。


  1. 全体的に若者が多い。カップルが半分。残りは一人で来たと思われる男女。結構、中平ファンって若者に多いということに驚かされるが、そう言えば監督自身も若い。↩︎

2007/01/22

2007/01/22

オメガトライブ

先週の金曜日、偶然判明したこと。

「杉山清貴&オメガトライブ」とか、「カルロス・トシキ&オメガトライブ」というバンドがありましたよね、昔。

私は今のいままで、

オメガ
STRONG ド
ライブ

だと思ってイマシタ。

ロスの「ロデオドライブ」みたいに、「オメガドライブ」という通りの名前かなんかだという勘違いを、かれこれ20年もしていたという。。。

何度もテレビやラジオで発音を聞いていたはずなのに、なんと思い込みの激しいことよ。

となると、「オメガトライブ」ってどういう意味なのだろうか?

「オメガ部族」??

2007/01/21

2007/01/21

[PHOTO] 週末のピアニスト達

piano

代々木上原にあるムジカーザ(MUSICASA)にて、妹のピアノサークルのコンサートに行った。その中で面白かった曲がM.P.ムソルグスキーの「展覧会の絵」1有名。音楽に関しては、全く疎いので確かなことは言えないけれど曲調にユーモラスが感じられ、とても楽しめた。

[BOOK] 東京人生

昨年末に、江戸東京博物館にて同名のタイトルで開催されていた写真展の書籍版。写真展の方に、行けなかったこともあり購入した。

“天才アラーキー”ではない写真とでもいうのかな。全てモノクロからなるそういう彼の写真が集められている。荒木経惟の写真集は「センチメンタルな旅・冬の旅」あたりもそうだが、写真に(たぶん)彼の言葉(短文)が添えられている。言葉にすぐ縋るタイプの私は、写真を観るよりも先にキャプションの方に目が行き、写真の見方を規定されてしまう。だから、いつも意識して写真の方から観ていかないと彼の策略にはまりそうでドキドキする。

でも、良いです。レトロスペクティブするには早すぎじゃないの?とも思うけれどこういう写真があればこその”天才アラーキー”だよなぁ。


  1. かなりな曲のようです…全く無知。↩︎