2006/09/11

2006/09/11

[BOOK] 幸福論

この本を読めば幸福になれるか?もちろんなれるはずもない。あたり前だけれど、そんなこと寺山修司も思って書いてはいない。

振り返ってみるに、不幸は具体的だが幸福は抽象的だと思われることだ。

また、不幸は現在すぐに気がつくことができるが、幸福は後になって過去を振り返らないと認識できないたぐいのもののような気もする。

本文中で気になった一文をいくつか:

  • 「出会いに期待する心とは、いわば幸福をさがす心のことなのだ」(P.92)
  • 「あした何が起るかわかってしまったら、あしたまで生きていられない」(P.190)
  • 「ユートピアとは人間嫌いの思想の産物」 (P.222)
  • 「希望をもつようになったらおしまいだよ」(P.259)

[BOOK] 物語イタリアの歴史

(ローマ帝国以後の)イタリアの通史を知ろうと思ってこの本を手にとるのは間違い。ローマ以後のイタリアの歴史の中で(著者が)選んだ人物についての短編集である。しかし、ルネッサンスという文化的にはすばらしい事象を生んだイタリアもローマ初期のローマ人のようなきわめて硬質で地についたリアリズムというものは失なわれてしまったのかというのが読後の感想である。

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