睡蓮の教室
<<以下、殴り書きの感想。後でもうちょっと直すかも。>>
オランダ系中国人であるルル・ワンの自伝的小説。
文化大革命下の中国、12歳の水蓮。労働改造農場(労改)へ送られる母に同伴し、そこに収容されている一級の知識人を先生としてスローガンではない学問を学び成長していく。
共産主義では存在するはずがない階級(階層)が厳然と存在する社会。貧農出身の子供たちと彼女の属する第1階層の子供たちとでは歴然たる生活格差と差別が横たわっている。
学校に戻った水蓮は、自分自身の保身のためにも同じ第1階層の仲間たちと折り合いをつけていくが、貧農層に生まれたクラスの除け者である金に対してシンパシーを感じている。そのため金に対し様々な面で親友としての援助を行い、金がクラスで好感を持たれるように努力するが全ては逆の結果となってしまう。結局金は失望し、道を踏みはずしていく。。。
結局のところ水蓮の金に対する応援は上層階級に属する者のあわれみでしかなかい結果しか生まなかった。
この小説を読んでいて「テヘランでロリータを読む」を頭に思い浮かべつつ読みすすめていることに気がついた。同じ抑圧された体制下である程度自由を知っていた階級出身の女性の主人公。この小説の主人公である水蓮の方が若いがその考え方は大人だ。そして「テヘラン〜」での魔術師と同じように、主人公の相談相手となれる人びとの存在。どちらの小説の著者も生地を離れた異国で暮している。
女性が読んだならばどのような感想を持つのだろうか?もし近くに女性の読者がいたら聞いてみたい。ぐんぐんと没頭して読み込んでしまう小説だった。お勧め。
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