[PHOTO] 日録
[BOOK] 新聞社 破綻したビジネスモデル
新聞という産業がインターネットなどの出現により、現在もしくはそう遠くない将来、危機に直面することは素人の私から見ても考えられる。この本では新聞が現在抱える問題を述べ、その解決策を提案している。
日本の新聞が抱える部数至上主義による無駄になった紙(売れ残った紙)による環境破壊の問題や販売店の疲弊。かといってインターネットの新聞社ポータルサイトの規模では現在の新聞社の規模を支えることはできないという状況をみると、まさに進退ここに極まれりという感じである。かといってこの本で著者が提案する弱者による合従連合生き残り策も根本的解決にはならないように思われる。
インターネットだけでなく、テレビとの関係なども述べられていたが結局のところ、インターネット(WWW)の出現による情報自体の(金銭的)価値低下の流れは押しとどめることはできないのではないか? その中で如何に情報提供に対する信用度(事実信頼性や網羅性など)を上げてそのブランド自体を高め、かつ読者毎の興味に依る情報提供のカスタマイズの機能などを提供していかないと数あまたあるwebページとの競争において厳しい。
私は現在の新聞の最大の特徴(長所)は紙であることにつきると思う。紙であること - つまりポータブルで邪魔にならず、如何なる状況(電気がなくても)読むことができる - が新種の情報デバイス/テクノロジーの出現によって凌駕された時、その時こそが今ある形の新聞(ビジネスモデル)自体の真の危機であると思う。
その前に中国やインドなどの経済発展による紙資源の高騰などから、その息の根を止めさせられるかもしれないけれど。
[BOOK] 長崎曼荼羅 東松照明の眼1961〜
この中に掲載されている写真だけを観ていると、とても強い何かが私の中に影をさしてくる、東松照明の写真の強さだろう。しかし文章と共に読んでいくと、陳腐に堕してしまったステレオタイプのヒューマニズムとでも言うべきものによって写真がスポイルされてしまった。
[PHOTO] Lee Friedlander 「RETROSPECTIVE」
表参道のラットホール・ギャラリーにて、リー・フリードランダーの個展が開催されていたので行く。セルフポートレイト、路上でのスナップショット、ヌード、自然風景などの作品が80点あまり展示されていた。印象的だったのは、彼自身のセルフポートレート。壮年のときと現在(老年)のセルフポートレート、その変容ぶりが人間だれしも避けえないことではあるが時の残酷さを印象づけていた。
[PHOTO] 近藤ひとみ「みちくさ」
写真展へ行くと、写真展のタイトルやDMで使われている写真と、他の展示写真とのイメージのギャップに戸惑うことが多々ある。その点、今回の「みちくさ」というタイトルは会場に入って、ああなるほどなと納得させられる良いタイトルだと思う。そして展示されていた写真も、決して予定調和ではない、かといって奇をてらうこともなく、淡々とした中になぜか心に響くような写真がいくつかあった。なつかしさとでもいうような感じなのだろうか。(意図的かもしれないけれど)ただ重なりあう似たような光景がいくつか展示されていたので、もう少し違う「みちくさ」も見てみたい。
ギャラリー・ニエプスにて、5月6日まで開催。
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