2007/03/15

2007/03/15

[PHOTO] 畠山直哉 Draftman’s Pencil

birds

神奈川県立美術館 鎌倉で開催されている掲題の写真展に行った。

建物による群像をとらえたものとでもいうのだろうか。都市の鳥瞰的な写真だけでなく、一つのビルディングのみを撮影したカットにおいても各部屋が集り群像を成しているように感じられる。

実際の都市の建物ではなく、都市の模型を撮影している写真もあったがこれら模型の写真と実際の都市を撮影した写真において差異は感じられず、あくまでも等価だ。このことは建物のポートレートとも言えるような一戸建ての家を写した写真にも言える。

[BOOK] 重力のデザイン

「本から写真へ」という副題をつけられている。ブックデザイナーの鈴木一志のコラムをまとめた本。内容はブックデザイン論から写真論、映画論まで多岐にわたる。この本の中では一貫して本、写真、映画という3次元の世界を平面化するメディアの「重力」をテーマにしている。その言及はブックデザインに関しては納得できるが、他のテーマに関してはちょっと苦しいようにも思えた。

一番面白く読めたのは冒頭の”本と重力”の章だ。たまにTeXを使って論文を書いたり、ウェブページのためにHTMLを書いたりしていると、どうしてもboxという概念を意識せざるえなくなる。我々が本読むときに、この目に見えないboxに付随する約束事1を暗黙の了解として文章を追っていることや、逆に句読点などは(意識下では)無いものとして読解していることなどを教えられ、ああなるほどと目からウロコだった。

また、マンガの吹き出しは基本的に文節改行で句読点が存在していないことなども全く気付きもせずに読んでいたことに驚かされる。


  1. 例えば、目で文章を追うときにコンテキストが変わることがないのにboxの縁まで来たために改行せざるえない文章に対して、我々は無意識にその改行が無いもとして目を’改行’させていることなど。↩︎

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