2024/09/16

新藤健一「新版写真のワナ」

 


1994年の書籍である。2B Channelで取り上げられていて、そう言えば昔読もうと思っていてそのままだった事を思い出し中古で購入した。デジタルカメラが普及する前、写真が真実を写すという神話がまだ色濃く残っている最後の頃の著作である。この中で、沖縄の松永優裁判も取り上げられていて、その中に唐突に中平卓馬の言が出てきた。

写真の中平卓馬が「水平線にある太陽を、これは朝日か夕日かと問われても答えられない」と語っているように、時間的、空間的要素を抜きにして写真を語ることはできないのである。

先日、柳本尚規「プロヴォーク: 中平卓馬をめぐる50年目の日記」を読んだばかりの私は思わず手元に置いていた中平卓馬も著作集「見続ける涯に火が… 批評集成1965-1977」を手に取り、松永優裁判を取り上げた「客観性という悪しき幻想ー松永優事件を考える」を読み直してしまった。ただし、この中には、「水平線に〜」の部分は記載がなかった。今手元にないのでわからないが、おそらく他の著作だろうと思う(このような文章があったような記憶はある)。

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