2008/12/04

2008/12/04

[BOOK] 司馬遼太郎が考えたこと 14

司馬遼太郎の1987年5月から1990年10月までのエッセイをまとめたもの。若い頃に(当時出版されていた)司馬作品のほとんどを読んだけれど、彼の死後出版されたものはほとんど読んでいない。今回、この本を読むきっかけになったのは、この中に開高健への弔辞がふくまれていることを知ったから。だから、いきなり14巻だけを購入した。

お目当てだった開高健への弔辞も良かったけれど、この本の白眉は、須田剋太への惜別の文章だろう。長年「街道を行く」シリーズで装画を担当した付き合いということもあって、彼へ思いが素晴らしい文章となっている。須田自身は優れた画家であったが、(自分が表現手段とした)絵画以外にも、司馬遼太郎という”国民作家”によって須田自身を言葉で表現されたことは、須田にとって、とても幸福なことではないかとちょっと羨ましくも思った。

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