2006/07/31

2006/07/31

[BOOK] 旧約聖書を知っていますか

初めて阿刀田 高の文章を読んだがもとがエッセイということもあるのか非常に面白く読めた。これまで幾度となく旧約聖書にチャレンジしてその度に砕け散ったものとしては「聖書では〜」みたいな場面で知ったかぶりする程度までで良ければこの本を読んでおけば十分であると思う。

有名なサムソンの節に登場する”悪女”デリラに関し作者が、(確か)「魅力的な女性は本人が自覚しようとしまいととどのつまり男から見れば悪女である」と述べているのが思わずうんうんそうだなぁと男の私は過去の苦い(?)経験から同意してしまうのである。

また、実存主義(サルトルとかのやつですな)に関しても「ペーパーナイフを考えてみると、ペーパーナイフは何の目的のために作られて、そのためどのような機能を有しているかはそのペーパーナイフが存在する前から規定されている(つまり本質が先にある)。しかし人間は、まずなぜだか偶然にも存在(実存)し、後で人間とはどのようなものかを人間自らが決定する(つまり本質より実存が先にくる)。」と実存主義をやさしく解説してくれている。うーん納得、若かりし高校生の頃、サルトルの小説読んでもさっぱりだった私の脳味噌も一気に理解した気になってしまった。ちなみに作者はとてもわかりやすい実存主義の解説書としてサルトルの「実存主義とは何か」を挙げている。今度読んでみよう。

暗室

今日も休みだったので、フィルム現像とプリントの1日だった。

2006/07/30

2006/07/30

[PHOTO] 八戸

trainwindow
street
bus
house

出不精な癖に一日たりとも家に籠ることに耐えられないという天邪鬼な性格(よーするに近くへ散歩程度は日に一回は必要だが旅などはおっくうな性格)である私であるが、ICANOFから絵葉書が来るたびに八戸(青森!)へ旅することへの思いがつのり、最近新幹線で3時間で行けることがわかった瞬間いてもたってもいられず八戸へ行ってしまった。

私の中で”イーハトーブ”になっていたんだね、きっと。隣の県だけど。

おとものカメラははNew mamiya 61こちらとネオパンプレスト400(とUC400少々)。まずは、第一目的の八戸美術館へ行くが開館までまだ時間があったため周辺を散策。その後美術館へ戻りICANOF「TELMERIC」展を鑑賞。開催期間もあと一週間ということで特別プログラムなども既に終了しており閑散としていたが、それだけにかえってじっくり鑑賞でき良かったと思う。米内安芸さんの作品が印象的。八戸を撮ったものなのであろうか。鑑賞後美術館の受付付近で書籍などを眺めていると、受付に座っていた方から「この辺りの方ではないようですが、どちらからいらしたのですか?」と声をかけられしばらく話をする。記帳して帰ろうとしたところこの方から「あっ、神田さんでしたか!」と。なっなんと単なる美術館の事務の人だと思っていたその方はICANOFのTさんだった。直接には一度書籍を購入した時に何度か手紙・メールをやりとりしただけなのに名前まで覚えていただいたとは感激。しばし八戸の写真活動などについて話込み、その後昼食に教えていただいたそばやにてせいろを食べる。

午後は、メインストリート(三日町通り?)などをぶらぶらしたりした後、勧められた博物館を見学し、八戸駅までバスで戻り駅周辺を散策。

八戸の印象は、どこか懐しい感じがするとでもいうのだろうか? メインストリートなどは中心部の空洞化が目立つどこにでもある地方の通りという感じを受けるがちょっと路地に入るとこの地方の商業の中心であった八戸らしい趣きが感じられるしゃんとした町だった。バスなんかもそれ自体はとても古いもので予算の厳しさを感じさせるものであったが、しかし車内の木の床はニスが塗られていてきちんと手入れがされている様子が伺われ、この町の人びとの真面目さが感じられた。

是非来年も訪れたい。


  1. New Mamiya 6(ニューマミヤ6)に関してはをどうぞ。↩︎