2025/01/19

中平卓馬「氾濫」/Takuma NAKAHIRA "Overflow"



東京都写真美術館のパブリックプログラム(暗室での現像体験オープンワークショップ)に行った時、同館内のNADiffに立ち寄ったところ、この本を発見。少し悩んだが購入。大判の本(ソフトカバー)で1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展で展示されたインスタレーション「氾濫」を再現したもの。昨年(2024年)初め頃に東京国立近代美術館で開催されていた「中平卓馬 火ー氾濫」展にちなんで出版されたものかと思ったら、2018年の出版なので直接の関係はなさそう。ちなみに、火ー氾濫展でも、このインスタレーションが再現されていた。

1970年代の初めの頃の作品だが、モノクロではなくカラーで撮られている(ポジ?)。カラーということもあって、写っている風景がどこが現在と地続きであることを実感させられる。現在と大きく違うのは、車くらいだ。当時から40年は経っている現在においても、車以外の風景はなんとなく今でもあるような感じがする。車だけが生存期間の時定数が短く現在の風景には収まらない。この本を眺めていて、図鑑とかサーキュレーションとかではなく、そんなことを考えてしまった。

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