[BOOK] ルビコン 共和政ローマ崩壊への物語
塩野七生の「ローマ人の物語」がローマへのラブレターならば、この本は、ローマへの皮肉だろう。そしてオクタウィアヌスが40年以上も権力を握り、その死を寝台の上で迎えることができたのもカトーのような共和政の継承者を演じることができたのだと指摘が面白い。
(P.10)ローマの自由は、いつも見掛けが立派なだけのお飾りだったわけでなく、ちゃんと中身があった時期もある。でも、だからといってローマが自由と平等を実現した理想社会だったと言うつもりはない。むしろ逆だ。自由と平等を、ローマ人はまったく別物だと考えていた。本当に平等といえるのは、同じ鎖につながれた奴隷どうしだけ。それに対して、一人前の市民にとって人生は競争そのものだ。
(P.372)(カエリウスからキケロへの手紙)「平時に内政に携わっているときは、正しい側につくのが何より大切です。」
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