[BOOK] わが悲しき娼婦たちの思い出
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた。」とかなり刺激的な一文から始まるガルシア・マルケスの小説である。エロ小説だと思って間違って買ってしまう人もいる(?)かもしれないが、そうだとするとかなりがっかりするだろう(笑)。
九十歳のじいさんと14歳の少女を核とした話ではあるが、少女は多くの場面でただ眠りについている…。しかし、九十歳になって初めて”恋”を覚えた老人には、現実よりも自らの想像の世界が彼女との思い出となっていく(まあ、えてして恋とはそういうものだ)。
我々読者は、「リアリティを感じて読むことができるか?」という 〜フィクションに対峙する上での一つの主題〜 挑戦を作者からうけているようにも思う。自分は、この主人公の老人が、六七十歳ぐらいの年齢の人間であるかのように勝手に読み代えている事に気付いてしまったので、そこまでのリアリティ(共感)を感じることができなかったのだろう(ちょい負け?)。
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