| 奥多摩駅 |
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この本自体は、タイトルに関連するような数々の随筆からなっている。どれも興味深いものだったけれど、馴染みがそれなりにあると言う意味では、副題として「英語は他の言語を変えたか」とある「ボストン」と題された章だった。多和田が米国に住むドイツ人から、米国に長く住み英語を日常的に使う生活を送っていると、ドイツ語がおかしくなるということを聞いたと言う話があった。英語の単語をそのまま母語の中で使ってしまうと言うのは良くあると思う。日本語だってそうだと思う。そしてそれは何も米国に住むドイツ人だけでなく、ドイツに住むドイツ人も英語の影響を受けていると言う話に飛び、言葉だけでなく言い回しまで英語の影響を受け、ドイツ語では使わないような英語の言い回しをドイツ語の単語に置き換えて使うようなことが起きている。このことについても、日本語でも同じであるとして、例えば「良い週末を。」という言い回しは一昔前の日本人は使わなかったという例が挙げられていた。確かに、私は「良い週末を。」と言う言い回しを会話でもSNSのチャットなどでもよく使う。
最後に多和田は以下のように書いて章を締めている。
日本語やドイツ語の中にも英語が入ってきている。しかも、単語が外来語として入っているだけでなく、言い方そのものにも影響を与えている。そう言う意味でも、一つの言語だけを話している人も、言語間の交わりや闘いを下で受け止めながら生きていることになる。
この文庫自体は北区の中央図書館から借りたもの。
| 板橋区立美術館 |
本日も昨日に続いて良い天気で昼間は半袖で十分なほど。ふと思い立ち、また車の手配もできたので約1年ぶりに板橋区立美術館に行き、「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画展」を観てきた。この美術館は昨年の洋風画もそうだったけれど、日本画の面白い展覧会をやっている。
今回は写真撮影が禁止されていたので写真はないけれど(図録は買った)、長沢芦雪の「月夜山水図」は奥行き、立体感が黒のグラデーションだけで表現されていてすごい。
あと、「都風俗化粧伝」などという化粧の仕方の指南書が江戸時代には発行されていて1世紀を超えたロングセラーとなっていたなんてことも初めて知った。
ロバート・キャパ展(B1)で行った東京都写真美術館の3Fで開催されていたので「総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025 コミッション・プロジェクト」展も見させていただいた(無料)。ドキュメンタリー映像が4点。永田康祐の「Fire in Water」は韓国の酒にまつわる話で面白かった。
東京都写真美術館で開催中の「戦争 ロバート・キャパ」展を見に行く。久しぶりのキャパ。なぜ今、キャパ?なのかは良くわかりませんが、戦後80年だから、ということらしい。家族ふれあいの日ということで、都民は半額でお得だった。
展示されていたキャパのプリントは、意図的に選択されたものかもしれないけれど、どこか優しい。戦争に関係する写真だけれど、あまり酷い写真というのはあまりなかった。
写真は、東富士美術館から借りてきたものらしい。