東京都美術館で開催中のマティス展に行く。平日にもかかわらず、それなりに人がいて、絵によっては近くで見るために待たなければならなかった。
絵だけではなく、彫刻や切り絵なども多く展示されている。ワカメ?の模様の切り絵ですね。
初めて入選した作品からヴァンスロザリオ礼拝堂まで、作風の変遷を見ることができて面白かった。初期にはなかった輪郭線が段々現れ、はっきり濃くなっていく。あと結構下書きが見えるように残っていく。
アーティゾン美術館で開催中の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」展に行く。抽象絵画ということで、セザンヌから、フォービズム・・・、そして抽象絵画・彫刻、と流れに沿った展示になっている。カンディンスキーあたりまではまだ抽象と言っても、タイトルを見て、絵を見れば、絵の中に何が描かれているかが見えてくる。しかし、その先に行くにつれ、タイトルが無題だったり、番号だったり、「作品」だったりしてくるともう何の抽象だかもわからなくなる。質感だったり、色彩だったり、偶然の交線などを、意味をもたず鑑賞するものなのだろうか。また、絵のサイズがどんどん巨大化する。これを飾れるのは広大な壁を持つ富裕層の大邸宅にしか飾れないだろうなあ。そういった豊かさを自慢するために、これらの巨大な抽象画が持て囃されたのかしら(いきなり美術館に飾る訳でもないわけで、富裕自慢のために巨大サイズであることに需要があったのか)。
(”始まり”のセザンヌ)
上野の森美術館で開催されている「特別展 恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造」に行く。パレオアート(古生物美術)というらしいが、恐竜を描いた絵、絵、絵。恐竜の化石が「発見」されて以降、化石から想像して描かれてきたものだけに、研究などの進展によって、同じ恐竜でも時代によってその姿は結構違っていたりする。
誰も恐竜が生きていた時代に生の姿を見たことがないので、多分に想像に頼って描く訳で、頭部を隠すと、サイ?イルカ?ワニ?と現生生物そっくりの姿で描かれていたりする。背景もティラノサウルスひとつとっても、森・ジャングルの中にいたと思うと、砂漠地帯にいたりする。
追伸:週末で混雑した会場で、電動車椅子の方が、大きな声と傲慢な言いようで「すみません!すみません!この絵を見たいんですけどーどいて下さい!」何度も割り込んでくる。他の人は礼儀正しく並んでいるのに、並ぼうともせずに割り込んできて、気持ちの良いものではなかった。