kindle版だと僕しか読めないので紙版を購入。ジャレド・ダイヤモンド的な著作が好きな人はこの本を読んでも面白いと思う。著者のユバル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)はイスラエルの歴史学者らしいが、ユダヤ教についても冷静な記述がなされている。
冒頭の歴史年表にもあるが、著者は地球の物語を「物理学」「化学」「生物学」の各物語で順に紐解かれ、そして最終的に人類の「歴史」物語となる。と語っている。そして歴史の中で、人間が滅んでしまった他の人類も含め大きく異なる点は「認知革命」を経ているからだという。認知革命とは、抽象的・仮想・虚構的な思考の獲得ということらしい。現代資本主義だと「法人」という概念などが代表される。歴史的には、神話(神、人権)によって大規模な社会秩序を維持可能にし、書記体系の発達がそれに輪をかけ、最終的に貨幣という虚構を皆が信じることでグローバル化したという。
文化はそのコミュニティの成員のみが参加できるが、文明は誰もが参加できる。と誰かが言っていた記憶があるけれど、いまや文化すら(グローバルな)文明によって普遍化しつつあるように思える。
その他メモ:
下巻では、主に科学革命(と産業革命)後について論じられ、さらに「幸福」ですら化学的物質による生理的反応にすぎない。と紹介されているが、人々が歴史的諸事情にどう「幸福」を感じてきていたからの歴史的研究が必要とも。
歴史は、「二次」のカオス系なので、それについての予想に反応するので、正確に予想することはできない。
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