[BOOK] 片隅の迷路
創元推理文庫からでていたので開高健の推理小説かと思い、彼が推理小説を書いていたなんて珍しいなと思い購入した。しかし、そんなことはなくある冤罪事件をモデルにして書いた(いわゆる推理小説ではない)小説だった。その冤罪は複数の証人となった人による偽証1が原因となって起きてしまった事件である。そのあたりの偽証を行わざるを得なかった人々の描写がさすが開高だと思われるものがあった。
解説の中で巽昌章氏が述べているが、調書というものは伝言ゲームのようにして、調書を取られる人→警察→検察などの中でよくも悪くも当事者らの主観によって変化しうるものであるらしいということは私には目から鱗であった。↩︎
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