2023/08/28

シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 ー横山大観、杉山寧から現代の作家まで


 ポーラ美術館に行き、開催されていた「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 ー横山大観、杉山寧から現代の作家まで」展を観た。美術館のコレクション目当てに行ったのだけれど、コレクション自体は絞った数しか展示されていない様で、メアリー・カサット「劇場にて」、ハマスホイ、ドガ「踊りの稽古場にて」「スパニッシュ・ダンス」、セザンヌ「アルルカン」等しか見れなかった(「西洋絵画とガラス工芸」展)(展示リスト)。

シン・ジャパニーズ・ペインティング展の方は、正直日本画についてあまり知識がないのだけれど、野口哲哉のEnergy Notchは印象に残った。

2023/08/14

Nへの手紙 森山大道

 

森山大道の新刊写真集。1年前(22年頃?)に彼が撮った逗子・葉山・鎌倉の写真。タイトルのNとは(もちろん?)中平卓馬のことだ。昨日の「挑発関係=中平卓馬×森山大道」展の影響で、ミュージアムショップでも売っていた掲題の本を帰宅後どうしても欲しくなりAmazonで発注。翌日(つまり本日)届く。便利な世の中である。

コロナ時代の風景ということもあって、マスク姿の人が多く写っている。写真に映り込んだ森山さん自身もマスクをしている。写真は森山大道そのものだが、時代も映り込んでいて楽しい。森山さんが中平卓馬と過ごした逗子近辺の思いを馳せながら、彼の思い出を擬似体験するかのようにこの写真集の写真を眺めていた。昨日の写真展でもこの本に掲載されていた写真は展示されていたはずだけれど、やはり写真集は良いですね。自宅でリラックスしながらじっくり見ることができるので、色々な発見がある。

2023/08/13

「挑発関係=中平卓馬×森山大道」展

 


台風が近づく中、神奈川県立近代美術館葉山館で開催中の「挑発関係=中平卓馬×森山大道」展に行く。お昼頃に美術館に着いたときは、雲間に少しだけ青空が覗く蒸し暑い天候だったけれど、美術館を出る時には、激しい雨で一色海岸では波がうねっていた。逗子・葉山にゆかりの深い、中平卓馬と森山大道の関係を取り上げた写真展。久しぶりに二人の写真を見た気がする。写真に少しでも興味ある人ならば、二人のことは知らないことはないと思うし、実際二人の写真・文章は私もよく見てたり・読んだりしてきた。二人は同い年で、PROVOKEで〜、云々は知識として勿論あった。中平さんが2015年に亡くなってから、中平さんの写真展って実はこれが初めてだったりするのかしら。

二人の写真を同じ展覧会で見て改めて思ったこと。才能ある、あるいは同じエリア(この場合写真)に熱意を持ったもの同士が出会い・交流することの凄さというか、刺激というか、とても羨ましく思えた。嫉妬を覚えるくらいに。

図録もミュージアムショップで展覧会後に買った。これがまたとても素晴らしい。二人に対するある程度のフォロワーなら、見たこと・読んだことある内容も多いが、改めて二人の関係・逗子・葉山に絞った内容でコンパイルされた写真・文章はこれまでの二人に対する記憶を呼び起こさせる。図録を読んでから、展覧会に行った方が良いのではないかと思わせるくらい。森山さんはたくさんの写真を発表しているので、その全てを見たわけではなかったけれど、今回刊行を続けている雑誌?「記録」からと思われる写真がスライドショーで映写されていて一体いつ一周するのかと思うくらい延々と見飽きぬ写真を見れたことは幸せだった。また、図録にはその「記録」2015年11月号に掲載された中平さんの告別式後の森山さんの文章が載っていて、それがまた素晴らしいかった。

何事も突き抜けるって凄いと思う。齢50になってしまった僕には、この一点で二人に嫉妬する。

P.S. 森山さんの展示されていた写真をよく見ると、インクジェットと書いてある。今時はもう印画紙ではないんですね。