どこか(確か日経新聞だったか)で書評を読み、気になって購入。2021年に映画にもなっているらしい(多少設定など異なっているよう)。
久しぶりに、純文学?を読んだ気がする。著者のタン・トゥアンエン(陳團英)はマレーシアの人らしいが、英国に留学していたり、2012年マン・ブッカー賞の最終候補に選ばれているとあるので、原文は英語で書かれているのかしら。
太平洋戦争前後の今のマレーシア(マラヤ)を舞台にした小説。現地に住む日本人庭師(で彫師)とマラヤの中華系の女性(戦争中には日本軍から非道い目にあう)との恋愛?を回想の形で綴ったもの。舞台が太平洋戦争中・戦後の共産ゲリラが跋扈する時代のマラヤということで、かなり過酷な状況の中で物語が進む夢が、何か静謐な時の流れにいるような不思議な感覚に襲われた物語だった。
一点、庭師が彫師でもあるという設定はリアリティとしてあり得るんですかね。そこは少し気になった。
