2018/02/25

骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと


増上寺にある徳川将軍家の墓地改葬の折に、遺骨を調査した結果を一般向けに説明している本。そのほかに、仙台伊達家などの遺骨調査の結果なども説明されている。非常に貴重な本だと思う。著者によると、代を追うごとに貴族的な特徴というのが現れるらしい。それは、将軍ら当時の上流階級の生活環境(噛む必要がないくらい柔らかい食事など)や遺伝的なもの(例えば、好まれる貴族的容姿をもつ配偶者を持つことによる遺伝的形質の獲得)らしい。

徳川秀忠や伊達政宗が戦国の時代の風を受けて、非常にたくましい骨格をしているのに対して、子孫の将軍や大名たちは非常にか弱い骨格となっている。維新の際に、かつての戦国大名の子孫たちや、上流旗本たちがほとんど活躍できなかったことも、こういった体格の変化(環境?)にも理由があるのだろうか。