2011/11/03

2011/11/03

[PHOTO] 畠山直哉展Natural Stories

写真集で見たことのある発破のシーンなどの大判の展示の他に、震災後の彼の生地陸前高田の写真(こちらは小振りなフォーマット)も一室に展示されていた。大判の写真は彼らしく瀟洒な家のリビングや商業ビルの受付脇などに飾られていても違和感のない安定したものであることを再確認した。だが今回より印象的だったのは陸前高田の写真。震災後、写真家の多くがこぞって東北に赴きそれぞれの写真を撮り発表されてきているが、人の気配をあまり感じない、でも冷静に考えるともの凄い自然の破壊の跡の事物を写した写真の数々。しかしあまりに悲しいとか、恐ろしいとかいう感情を僕自身に引き起こすこともなく展示されていた。他の作家(の一部)にみられるような、自然の猛威の前の人間の小ささを感じろ的な押しつけがましさがなく、少しほっとするものだった。

[PHOTO] 写真新世紀東京展 2011

上記、畠山直哉展と比べると(あたりまえだが)良い意味でも悪い意味でもごっちゃ煮で楽しめた。ただ、最近(でもないか)よく見かける、こういうコンセプトで写真をたくさん撮りました的な写真はどうも好かないなあ。

[PHOTO] コレクション展「こどもの情景−原風景を求めて」

東京都写真美術館の収蔵作品から、こどもに関係するものを展示していた。収蔵作品ということでその多くは定評のある定番のものばかり、写真(史)の常識的な作品を見るにはうってつけだろう。

2011/09/02

2011/09/02

[BOOK] ユニコード戦記

ユニコードの標準化活動(ISO/IEC、ユニコードコンソーシアム)にたずさわっていた著者による活動の記録。標準化活動というものがどのようになされていくのかがよくわかり、非常に興味深く読めた。標準化活動そのものだけでなく、著者がかかわった文字コードとその視覚的表現形式であるグリフとの関係などについても非常に勉強になる。例えば、活版活字の時代には文選工と呼ばれる職人が手書き原稿から彼らが判断して適切と思われる活字を選択していたこと。その頃は、著者などから字形自体にそれほどクレームがなかったし、あったとしても文選工の持つ深い知識に基づく反論等によりそれが排除されていた。しかし、写真植字の普及に伴い、そういった職人は姿を消し経験の浅い写植オペーレータが字形を選ぶようになってきて、(写植では比較的容易に字形が作成できるため)著者等からのクレームを受け入れることが多くなり(メディアにのる)字形(異体字)の使用が増えてきたことなどから、それにともない一般大衆も(メディアにのる)字形に気を使う風潮がでてきたなどといったことは非常に興味深い。

2011/08/30

2011/08/30

[BOOK] 食の500年史

食(習慣・文化)の世界史について述べられたもの。もとから世界史を名乗るには分量的に厳しいこともあって、内容は網羅的でもなく、また深耕されているわけでもないがそれなりに面白かった。

2011/08/29